不動産取引で、購入した不動産と契約内容に不一致がある場合や、欠陥が見つかった場合に、どのような責任義務があるかは購入前に把握しておくと安心です。
契約不適合責任は、2020年に民法改正した新しい規約です。
不動産取引をする方にとって大切な内容なので、ぜひ頭に入れておいてください。
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契約不適合責任とは、契約書と実際の不動産が、種類・品質または数量に関して契約内容と一致しない場合の責任義務をいいます。
契約内容に適合しない場合に、売主が責任を負い買主の保護することを民法で定められた制度です。
重要なポイントは、欠損について売主と買主が共通認識していたかどうかです。
購入する物件に何かしら問題があったとしても、買主は説明を受け、納得したうえで契約を交わしているのであれば、責任義務はありません。
しかし、売主が不動産の問題をふせていて売買契約書に記載がない場合は、買主は契約を結んだあとだとしても請求を求められます。
不適合とされる事例
不動産取引において、「種類」や「数量」について不適合の発生は少なく、主に「品質」について該当する可能性があるので留意しましょう。
新築物件は、契約不適合の事例は少ないかもしれませんが、安心はできません。
というのも、物件が完成するまでは現物を見ることはできないので、引き渡し後に契約内容と齟齬がないかしっかり確認することが必要です。
中古住宅については、経年劣化や欠陥に気を付けましょう。
多い事例としては、屋根や天井裏の老朽化にともなう雨漏りや、シロアリなどの害虫の侵食、排水設備の劣化による水漏れなどの発生です。
土地の売買契約に関しては、軟弱地盤や土壌汚染、地中に不利益を伴う埋没物があった場合などが考えられるでしょう。
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不動産取引における契約不適合責任と従来の瑕疵担保責任との違い
「契約不適合責任」は、2020年4月におこなわれた民法改正以前は「瑕疵担保責任」と呼ばれていました。
内容も変更された部分があるので、「契約不適合責任」と「瑕疵担保責任」の違いを整理しましょう。
違いについて要点を解説する前に、「瑕疵」の言葉の定義をご説明します。
「瑕疵」とは、売買契約を結ぶ目的物に欠陥や不具合があり、その品質や性能が損なわれていることを言います。
不動産における瑕疵をわかりやすく言うと、建物の欠陥です。
瑕疵担保責任では、売買がおこなわれた不動産に雨漏りやシロアリのような「隠れた瑕疵」が判明した場合、売主の過失ではないとして無過失責任と定義づけられていました。
しかしながら、「隠れた瑕疵」は実際に隠れていたかどうか立証が難しいことが問題視されていました。
そこで、契約不適合責任では、「隠れているか」は論点ではなく、「契約内容との合致」が重要となり、この違いが大きなポイントです。
契約内容と異なる場合は、瑕疵担保責任でも承認されていた「損害賠償請求」と「契約解除」にくわえて、「追完請求」と「代金の減額請求」が可能です。
そして、果たす義務を請求できる期限についても、従来の瑕疵担保責任の「納品から1年以内」から、契約不適合責任では「事実を知ってから1年以内」に変更されました。
契約不適合責任は、旧瑕疵担保責任よりも単純でわかりやすく、より買主を保護する内容に変わりました。
「隠れた瑕疵」に含まれるもの
目に見える物理的な傷や損傷や、入居してから知った「隠れた瑕疵」も契約不適合責任の対象です。
「隠れた瑕疵」の具体的な内容をご説明します。
物理的瑕疵
本来の建物の物理的な性能が損なわれている瑕疵です。
購入時はわからなかった雨漏り、シロアリ被害、水漏れなどが該当します。
また、現状の暮らしに問題がなくても、耐震基準が満たされていない・地中埋没品など、将来的に問題が発生しうる点についても含まれます。
心理的瑕疵
心理的瑕疵は、住むことがはばかられると感じるような出来事が過去に発生していた場合に認められます。
たとえば、過去に殺人事件や自殺が発生した物件は、心理的瑕疵に相当します。
売主が過去の事件や事故を買主に告げずに契約に至った場合は、責任を問われる可能性があります。
宗教的な建物や反社会的勢力の関係建物が近くにあるなど、近隣建物が精神的苦痛をうむ場合も考えられます。
環境的瑕疵
周辺環境が買主の暮らしに悪影響を及ぼす場合は、環境的瑕疵を問われる可能性があります。
悪臭や騒音を発生させる施設が周りにあることなどが例に挙げられます。
法律的瑕疵
建築基準法、都市計画法、消防法などの法の基準に違反している場合が法律的瑕疵に該当します。
たとえば、構造上の安全基準や接道義務が満たされていない場合や、防火設備である火災報知器が取り付けられていない場合などです。
また、中古物件でよくみられる法的瑕疵は再建築不可物件です。
古い法律に基づいて建物が建てられているため、現存の建物を壊すと新たに建て直すことが困難になる場合があります。
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不動産取引における契約不適合責任に関する請求について
万が一、契約内容に不一致な箇所が発生した場合の請求について理解しておきましょう。
きちんと理解することで、思わぬ事態が起こったときでも損害や損失を避けられます。
契約不適合責任では、以下に解説する5つの請求方法が認められています。
それぞれの請求内容を詳しくみていきましょう。
追完請求
追完請求とは、再度完全な給付を請求するということを指します。
種類・品質・数量が契約書と違いがある場合、買主は売主に対して完全な給付を求める請求ができます。
不動産売買では、種類・数量について該当するケースはほとんど発生せず、品質について問われることが多いです。
たとえば、暮らし始めてから水漏れしていることが判明した場合、売主から事前に説明がなく契約書に書かれていない場合は、「水漏れを修繕してほしい」と請求できます。
当然の責任のように感じる方が多いと思いますが、瑕疵担保責任では水漏れについて売主が認識していたかどうか争点になり、請求が認められるまで時間が要しました。
民法が改正されてからは契約書の記載有無で判断できるので、わかりやすくシンプルな流れになりました。
代金減額請求
代金減額請求とは、売主が追完請求に応じないときや、物理的な問題で追完ができない場合に請求できる権利です。
買主から一定期間を定めて追完に応じるよう催告したが、履行の追完がないときに代金の減額を請求できます。
また、追完が明らかに不可能な場合は、追完の催告をしないで直ちに代金減額請求をおこなうことが認められています。
催告解除
催告解除とは、売主に催告したうえで契約を解除することです。
追完請求の次の選択肢として、代金減額請求と催告解除があります。
催告解除した場合は、契約が白紙になるため、売主は取引金額を返す必要があります。
無催告解除
無催告解除とは前述の催告解除より強い権利で、売主の履行が期待できないときや履行が不可能な場合に、催告なしで契約を解除する請求方法です。
従来の瑕疵担保責任でも、契約の目的が達成できないとき場合には可能だった請求方法です。
住居としての役割を満たさない場合に認められる請求です。
損害賠償責任
損害賠償責任は、瑕疵担保責任でも承認されていた請求ですが、契約不適合責任の内容は性質が異なります。
瑕疵担保責任では売主の「無過失責任」でしたが、契約不適合責任では「過失責任」と変更されました。
また、契約不適合責任では、履行利益も請求範囲として含まれました。
契約が正しくおこなわれた際に得られたはずの利益に対する損害も請求の対象になります。
損害賠償の対象範囲はより大きくなり、買主を保護する目的が請求内容にも反映されています。
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まとめ
不動産取引において、売買するすべての方に関わる契約不適合責任についてご説明しました。
契約不適合責任とは、不動産に対する責任義務の規定であり、瑕疵担保責任が元になっています。
従来の瑕疵担保責任とは性質や不具合が発生した際の請求内容に違いあるのでしっかり確認しましょう。
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